“売上回復”の鍵はここにあった
~百貨店の事例から得る経営のヒント~

百貨店業界の回復イメージ

長らく低迷していた百貨店業界の業績が急回復しています。

2025年8月、全国の百貨店売上高は 4,139億7,170万円(前年同月比+2.6%) と、7カ月ぶりにプラスへ転じました。

これは、かつてのようなインバウンドによるものではありません。

訪日観光客による免税売上は依然として低迷しています。8月は 441億円(前年同月比 –4.7%、6カ月連続マイナス) でした。

今回の回復が「インバウンド頼みではない」ことがはっきりしています。

つまり今回のプラス転換は、

  • 国内消費:食品・日用品といった生活密着型の需要
  • 柔軟な対応:記録的猛暑に合わせた夏物商品の展開
  • 地域密着:地方百貨店の工夫による地元顧客の掘り起こし

といった“地道な取り組み”が支えたものと考えられます。

このような百貨店での取り組みをもとに、他社にも活かせる4つのヒントをまとめてみました。

  1. 生活密着型を伸ばす
    日常的に繰り返し買われる商品・サービスの比率を高め、景気に左右されにくい収益構造にする。
  2. 環境変化を商機に
    猛暑や寒波など、実際の気候・環境に合わせて臨機応変に商品やサービスを展開する。
  3. 常連を見える化する
    リピーターや長年の取引先をリスト化し、特別なフォローで関係を強化する。
  4. 依存先を分散する
    一つの取引先や販路に頼りすぎず、複数の収益源を確保して安定経営を目指す。

百貨店業界は、環境の変化に合わせて柔軟に対応することで、7カ月ぶりのプラス転換を実現しました。中小企業にとっても「日常需要をとらえ、地元顧客を大切にし、変化を機会に変えること」が生き残りのヒントになります。

ただ、全ての会社が変化対応だけで立て直せるわけではありません。ときには既存の枠組みを抜本的に切り替える「第二会社方式」のような選択肢が必要になることもあります。

「柔軟に対応する努力」と「抜本的な転換を選ぶ決断」、両方を視野に入れることが、これからの経営者に求められる姿勢ではないでしょうか。

もし「変化対応だけでは難しい」と感じた方は、専門家にご相談ください。

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