会社が破産すると滞納税金と社保はどうなる? 経営者を守るしくみと基礎知識

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弁護士・中小企業診断士の大竹夏夫です。

今日のテーマは、会社が破産したときの滞納税金や社会保険料です。

中小企業の経営相談では、「税金や社会保険料の滞納が限界です」「いよいよ差押えが入りそうで資金繰りが持ちません」という声を本当に多く聞きます。

売上が落ちたとき、仕入先や従業員への支払を優先せざるを得ず、どうしても国税・県税・社会保険料は後回しになりがちです。

しかし、滞納が重なると延滞金が膨らみ、突然の差押えで資金繰りは一気に破綻してしまいます。

私はこれまで数多くの企業再生と破産申立てに関わってきましたが、そうした現場で常にお伝えしているのは、「税金の滞納は恥ではない」「倒産は人生の失敗ではない」ということです。

むしろ、早期に向き合えば軟着陸できるケースの方が多い。これが、私が提唱している“明るい倒産”という考え方の土台にあります。

1. 破産したときの税金・社保はどう扱われるのか

会社が破産した場合、滞納している税金や社会保険料は、原則として会社の債務として処理されます。ポイントは以下のとおりです。

(1)会社破産では、税金も社会保険料も「会社の借金」として清算される
経営者の個人財産に請求が及ぶことは原則ありません。

(2)会社の国税・地方税の多くは破産手続で整理される
法人税、消費税、住民税、固定資産税などは、破産手続の中で債権として扱われ、破産により代表者が払う必要はありません。

(3)社保料についても同様
会社負担分の社会保険料は滞納していても破産手続により処理されます。

2. 実際の事例:滞納2,000万円でも軟着陸できたケース

ある製造業のA社は、コロナ禍で売上が急落し、キャッシュが回らなくなりました。仕入代金の支払いを優先していたため、気づけば税金と社会保険料の滞納が合計2,000万円以上に。税務署から「このまま納付がなければ差押えを行う」との連絡が届き、経営者は夜も眠れない状態でした。

相談を受けて財務内容を精査すると、事業そのものは黒字化できる見込みがある一方、既存の債務の重さで立て直しが困難という状況でした。

そこで以下の方針を提案しました。

  • 会社を破産させて債務を整理
  • 新会社を設立して必要な設備・従業員を引き継ぎ、仕切り直し
  • 仕入先や主要取引先にも丁寧に説明し、スムーズに再スタート

結果、滞納していた税金・社会保険料は破産手続で整理され、社長個人は負担せず済みました(銀行の連帯保証人でしたので、社長個人も自己破産しましたが)。

事業自体は新会社で継続できたため従業員の雇用も守られ、6ヶ月後には黒字基調へ回復しました。

このように、「滞納があるからもう終わりだ」と思い込む必要はありません。方法さえ誤らなければ、再起の道は必ずあります。

3. 差押えが入る前に相談することが最大のポイント

税務署や年金事務所は、一度差押えを着手すると、経営者との交渉余地がほとんどなくなります。口座や売掛金を差し押さえられれば資金が一瞬で枯渇し、従業員の給与も払えなくなる。

だからこそ、差押えの予告が来た段階で相談するのが最善です。
可能なら、滞納が3か月以上続いた段階で動いてください。

早ければ早いほど、破産・再生・第二会社方式・私的整理など、選択肢が大きく広がります。

4. 明るい倒産という新しい考え方

倒産というと、暗くて、怖くて、後ろ向きなイメージがつきまといます。しかし、私は違う景色を見てきました。

会社が破産したことで重い債務から解放され、肩の力が抜けた経営者が、別の事業で再起し成功したケースを何度も見ています。

破産は「終わり」ではなく、「リセットの技術」です。

  • 税金の滞納が限界
  • 社保の支払いができない
  • 差押えが怖くて眠れない

そんなときこそ、専門家に相談してほしいのです。倒産は決して恥ではありません。むしろ、未来に向けた前向きな戦略です。

“明るい倒産”とは、
「過去の負債をきちんと整理して、新しい人生を取り戻すプロセス」
を前向きに捉えるための言葉です。

滞納税金・社会保険料で経営に行き詰まっている方へ。
まだ選択肢は残っています。
そして、あなたが思う以上に、未来は明るくできます。

弁護士・中小企業診断士
大竹夏夫

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