こんにちは。事業再生コンサルタントをしております安岡です。
今日は、事業再生に取り組むために必要な経営者の心構えについて、体験したことをもとに、少しお話させてください。
経営者という生き方は、常に「未来」を信じる仕事です。
「今は苦しいが、来月にはあの案件が決まるはず」「季節が変われば客足も戻る」
そんな前向きな期待をもって、孤独な決断を続けてこれました。
しかし、事業再生という非常事態においては、この「前向きな期待」が時に猛毒となります。
「まだ大丈夫だろう」という淡い期待が、取り返しのつかない資金流出を招き、気づいた時には手遅れになっていた……。
そんな光景を、私は数多く見てきました。
再生への第一歩は、輝かしい未来を語ることではありません。
泥濘(ぬかるみ)に足を取られている「今、この瞬間」の現実を、1ミリの加減もせずに直視することから始まります。
なぜ「現実」を見ることがこれほどまでに難しいのか?
事業が傾き始めた時、経営者の脳内では「正常性バイアス」が働きます。
「創業以来、何度も危機を乗り越えてきた。今回もなんとかなる」
という過去の成功体験が、
現状の異常事態を「一時的な不調」として過小評価させてしまうのです。
例えば、あるコンビニ経営のA社長の事例を見てみます。
売上は3年連続で減少、本部や金融機関への借入金の返済も難しくなっていました。
しかし、A社長は「景気が悪く、また、周囲に競合ができてきているからだ」と周囲に語っていました。
ただ、これは、自社の現実を直視せず、厳しい言い方になりますが、他責思考、
すなわち、現実からの「逃避」でしかありません。
幻想の中に逃げ込んでいる間にも、現金の残高は刻一刻とゼロに向かっています。
「どん底」を数値化し、最悪のシナリオを書き出す。
現実を直視するために必要なのは、精神論ではなく「数字」です。
再生の現場で私たちが最初に行うのは、以下の3つのステップです。
ステップ1「嘘のない」資金繰り表の作成
入る予定の不確かな売上をすべて排除し、確実に出ていく支払いだけを書き込みます。
通帳の残高がいつ底を突くのか、その「Xデー」を確定させる作業です。
ステップ2事業の「真の収益性」の分解
全商品・全店舗の中で、本当に利益を出しているのはどれか。
愛着や歴史を抜きにして、数字だけで「捨てるべき枝」と「残すべき幹」を仕分けます。
ステップ3最悪のシナリオ(ワーストケース)の想定
「もし主要取引先から取引を打ち切られたら?」
「もし追加融資が断られたら?」
考えたくもない事態をあえて紙に書き出し、その時どう動くかをシミュレーションします。
A社長も、専門家と共にこの作業を行いました。
その結果、地域には当店のような、強力な惣菜商品があるにもかかわらず、それらの需要をしっかりと捉えず、機会損失によって利益をともなった売上増加に取り組めていないことがわかりました。
「絶望」の先にある、本当の希望
どん底を直視することは、非常に苦しい作業です。
自分自身の経営責任、すなわち至らなさを突きつけられるからです。
しかし、不思議なことに、「もうダメかもしれない」という現実を100%受け入れた瞬間、
経営者の顔つきは変わります。
幻想を捨てた時、初めて「何を切り捨て、何を守るべきか」という戦略の優先順位がクリアになります。
どん底がどこにあるか分かれば、あとは上に向かって登るだけだからです。
現実を直視することは、諦めることではありません。
「今の延長線上には未来がない」と認めることが、新しい未来を創るための絶対条件なのです。
『結論:まずは「今の数字」を書き出してみませんか?』
もし、あなたが今「なんとかなるはずだ」という思いと「夜も眠れない不安」の間で揺れているのなら、一度立ち止まって、すべての幻想を横に置いてみてください。
「本当の残高はいくらなのか?」
「今の事業モデルで、あと何ヶ月戦えるのか?」
一人で向き合うのが辛い時は、ぜひ私たちのような専門家を頼ってください。
鏡のように、あなたの会社の現実を客観的に、そして誠実にお伝えします。
そこからしか、再生の道は開けません。
一緒に、再起のための第一歩を踏み出しましょう。
安岡 和孝
事業再生コンサルタント、中小企業診断士。
赤字企業や債務超過に悩む中小企業の立て直しを専門とし、これまで多数の経営者とともに「どん底からの生還」をサポート。現場主義を貫き、数字と心の両面から経営者を支える伴走型支援に定評がある。
オシリスLINE公式はこちら。
【期間限定】借金ゼロ再生(第二会社方式)解説動画プレゼント中
https://site.osiris-bs.com/line/open/phbXqzJrwumy?mtid=UUQcIVckY1fq
事業再生相談センターの詳しい内容はこちら
