100年続いた会社でも倒産する時代。老舗企業の倒産に見る、早期判断の重要性

100年以上続いてきた会社であっても、過去の信用やブランド力だけで事業を守りきることは難しい時代です。大切なのは、問題が深刻化する前に、現実を直視し、早めに次の一手を考えることです。

オシリス主任コンサルタント・弁護士・中小企業診断士の大竹夏夫です。

つい先日、東京商工リサーチは、2025年度に倒産した業歴100年超の「長寿企業」が120件だったと発表しました。前年度比では21.5%減となり、4年ぶりの減少です。倒産件数だけを見ると、やや落ち着いたようにも見えますが、注目すべきはその中身です。倒産原因で最も多かったのは「販売不振」で86件、全体の71.6%を占めています。次いで、「赤字累積などの既往のシワ寄せ」が24件、20.2%でした。

100年以上続いてきた会社には、長年の信用、地域とのつながり、取引先との関係、技術やノウハウ、看板の力があります。

それでも、倒産に至る企業がある。

この事実は、今の時代の経営の厳しさをよく表しています。

老舗としての実績やブランド力は、絶対的なものではない

東京商工リサーチは、今回の調査について次のように指摘しています。

「老舗」としての実績やブランド力は絶対的なものではない。業歴に関わらず、真摯に経営に取り組む姿勢、過去の成功体験に依存しない経営努力が求められる。

この言葉は、非常に重要です。

長く続いてきた会社ほど、「今までも何とかやってこられた」「取引先との関係があるから大丈夫」「地域での信用があるから、まだ持ちこたえられる」と考えやすい面があります。

もちろん、歴史や信用は大きな財産です。

しかし、資金繰りの悪化、売上の低下、原材料費や人件費の上昇、税金や社会保険料の滞納、借入金の返済負担などが重なってくると、過去の実績だけで会社を守ることは難しくなります。

「まだ何とかなる」と思っているうちに、選択肢は狭まっていく

特に注意が必要なのは、「まだ何とかなる」と考えているうちに、選択肢が少しずつ狭まっていくことです。

資金繰りが厳しくなると、仕入れや外注費、給与の支払いに影響が出ます。

税金や社会保険料の滞納が続けば、差押えのリスクも高まります。

金融機関や取引先との関係が悪化すれば、事業を継続するための選択肢も限られてきます。

つまり、問題が表面化してから動くのではなく、まだ事業に価値が残っている段階で、早めに専門家へ相談することが大切です。

倒産という言葉の裏側に、事業を残す選択肢がある場合もある

東京商工リサーチの調査では、「赤字累積などの既往のシワ寄せ」による倒産の中には、再建スキームで他社や新会社に事業を譲渡したうえで、旧会社の債務整理に着手したケースも含まれるとされています。

これは、単に「会社が倒産した」という話ではありません。

事業そのものに価値が残っている場合には、事業譲渡や第二会社方式などを含めて、事業・従業員・取引先との関係を守るための方法を検討できる場合がある、ということでもあります。

もちろん、すべての会社に同じ方法が使えるわけではありません。

会社の財務状況、債権者との関係、税金や社会保険料の滞納状況、代表者保証の有無、事業の収益性などによって、取るべき対応は変わります。

だからこそ、自己判断で先延ばしにするのではなく、早い段階で現状を整理することが重要です。

会社の歴史を守るために、早めの判断を

100年続いた会社でも倒産する時代です。

裏を返せば、会社の歴史や信用を守るためには、過去の成功体験に頼るだけではなく、今の現実を直視し、次の一手を考える必要があるということです。

破産だけが選択肢とは限りません。

状況によっては、第二会社方式や事業譲渡などを通じて、事業を残す道を検討できる場合もあります。

「まだ大丈夫」と思っているときこそ、一度立ち止まって、今の資金繰りや負債の状況を確認してみてください。

長く続いてきた事業には、それだけの価値があります。

その価値を守るためにも、早めの相談が大切です。

事業を残す方法は、破産だけではありません

事業再生相談センターでは、借入金、税金、社会保険料の滞納、資金繰りの悪化などに悩む経営者の方からのご相談を受け付けています。

状況によっては、第二会社方式や事業譲渡など、事業を残すための方法を検討できる場合もあります。

  • このまま続けられるのか不安
  • 破産以外の方法があるのか知りたい
  • 従業員や取引先への影響を少しでも抑えたい

そのように感じている方は、早めにご相談ください。

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