コンサルタントブログ~『ある日突然40億円の借金を背負う。それでも人生はなんとかなる。』を読んで
1.なぜこの本を紹介するか
私は、再生関係の仕事を行っており、廃業や倒産の相談をたくさん受けています。
特に最近、社長が急に体調を崩したり、亡くなったりして、妻がどうしてよいかわからなくなり相談にみえる、という事案が増えています。
この本は、大企業でバラ色のサラリーマン生活を謳歌していたにも関わらず、父親の急死により、36歳で突然、倒産寸前の会社(家業)と40億円の借金を引き継ぐことになった不幸な男の、泥まみれの16年間の記録です。
この本は、私が日ごろ再生の仕事を一緒にやっている弁護士の先生に勧められたことがきっかけで読み始めました。
この本を読むと、なぜこの著者が首を吊らずにすんだのかが分かります。
2.本の内容紹介
本の中で印象に残った部分を紹介します。
特に、著者は、父親が亡くなった段階で連帯保証人でなかったことから、いつでも逃げるという選択肢があったのに、なぜ、借金だらけの会社を引き継いだのか興味がありました。
著者は、借金まみれの会社を引き継いだ理由について「金融機関からすべてを押し付けられそうになっていた母を助けなければならないという気持ちが強かった。」と述べています。
5年だけの勝負 瀕死の飲食店を立て直せ
著者は、「40億円という借金を背負うと思うと途方に暮れてしまい、なかなか行動に移せないので、最悪の状況をイメージした。」と述べています。さらに「倒産したらどんな状況になるかと頭の中で漠然と考えていた時は、不安がどんどん大きくなり、悪い想像が膨らんだ。」とも付け加えています。
そんなとき「最悪の場合の最悪が一体どんな状況になるか、できるだけ具体的に書きだしてみた。具体的に紙に書き出して計画を立ててみると、思いのほか気が楽になった。」と述べています。
頑張る期間は5年と決めた
さらに「5年たって状況が変わらなければ会社を清算する。5年という期限を決めたことで、現実から目を背け逃げていたが、今回のことでようやく立ち向かう覚悟ができた。」と述べています。
本書の内容は、事業再生の現場において、活用できる言葉や事例であります。
途方に暮れた社長を勇気づけるアドバイスにもなると思います。
本書は、倒産の危機にあって、事業再生を目指す社長様に是非お勧めしたい本です。
『ある日突然40億円の借金を背負う-それでも人生はなんとかなる。』
(湯澤剛著 PHP研究所出版 2015年8月6日)
事業再生コンサルタント 鈴木尊康